前回に引き続き、マネジャーの資質でなければならない「真摯さ」について話したいと思います。
まずは、「真摯」の語源についてですが、「まじめで熱心な事、まじめでひたむきな事、一生懸命に物事に取り組む事」という意味だそうです。
また、「正直、誠実、高潔、」と言う意味もあるそうです、ちなみに読み仮名は「しんし」です。
「真摯」という文字は、真実の真という字と摯という字の組み合わせです。
摯という字は、執+手でありますから、「手でしっかりとつかむ事」という意味です。
すると、真実をしっかりとつかむ事という意味になります。
ピーターF、ドラッカーの意味する真摯を英訳すると、integrityインテグリティー(正直さや誠実さが一貫している)と訳すことが出来ますが、(知識、情緒、意志という3つの要素を統合する)という意味もあります。
では、ドラッカーが言う「真摯さ」とはいったいどう言う意味なのか、色々な意見を書いて見ましょう。
1.一貫した正直さと一貫した誠実さを持って仕事(組織)に貢献する事
2.強い信念と正義の原則に基づいて、不変の正直さと誠実さで、一生懸命に物事(仕事)に取り組む事
3.真実を基準とし、誠実を前提とし、貢献を目的とすること
色々な意見がありますが、私が思いますに、「真摯さ」とは、人間が生まれた時に持っている「素直で誠実な心」だと思います。
ドラッカーは本の中でこう言っています。
真摯さは、とってつけるわけにはいかない、すでに身に着けてなければならない。
ごまかしがきかない、部下に対しては、真摯であるかどうかは2,3週間でわかる。
無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、寛大足りうる、だが真摯さの欠如だけは許さない。
決して許さない、彼らはそのような者をマネジャーに選ぶ事を許さない。
実は、誰でも生まれた時に身に着けている真摯さを無くした者を許さない、とドラッカーは言っているのです。
我々は、生まれた時には真摯さを持って生まれてくるのですが、成長するにしたがって色々な経験をします。
悪い経験を繰り返す事によって、心が荒み、人を恨んだり、妬んだり、憎んだりする事によって、心が汚くなってしまう事があります。
すると、人が信用できなくなったり、先入観で人を見たり、偏った思考を持ったり、自分にとっての損得だけで物事を判断してしまうような人間になってしまうのです。
当然、正直さや誠実さや思いやりや平等公平の心をなくしてしまいます。
いや、失くすのではなく、隠れてしまうのです。
ですから、ドラッカーは「真摯さを身に着けている人」は選ばれた特別な人だと言っているのではなく、誰でも持っている資質であると言っているのです。
しかし、マネジャーとして人を管理するとか、指導するには、どうしても隠れている真摯さを前面に押し出し、スタッフに接しなければならないと言っているのです。
実は、これはスタッフに接する時だけではなく、お客様や取引業者さんと接する時も必要です。
しかし、24時間、365日、真摯さを持っていなくても良いとは思います。
管理者として、仕事をする時、なるべく真摯さを失くさないように努力すれば充分だと思います。
人間というものは、不完全な動物です。
完璧を求める事は、不可能なのです。
マネジャーの皆さん、真摯さを前面に押し出した理想の自分を創りだし、部下の方たちに接してください。
必ず、素晴らしいマネジャーになれると思います。
株式会社 家具アウトレット ビッグウッド 杉浦眞悟