今日は、「運、鈍、根」という言葉についてお話したいと思います。
私が27歳で独立した時、大変お世話になった方に穴吹社長という方がおられました。
家具店を開業したいと思っている頃、資金も信用もなく困っていた私に商品を貸してくださった方ですが、私より5歳年上で思いやりのある優しい人でした。
穴吹社長はその当時32歳で、香川県の丸亀市で七福家具と言う家具店を経営されていましたが、私が独立出来たのも穴吹社長と知り合ったからだと思います。
現在はもう亡くなられてしまい、七福家具も存在していませんが、当時は青年経営者として人望もあり立派な方でした。
その方から「杉浦君、人生は、運、鈍、根の3つが揃ってないと大成できないよ。」といわれました。穴吹社長が言われた事を思い出して書いてみます。
杉浦君、運というのは、心配しなくても皆に平等に与えられているから、必ずやってくる。
しかし、人を信じる事のできない人は残念ながら運を掴む事ができないんだよ、だから素直な気持ちで人の言う事を聞きなさい。
鈍という意味は、鈍いという事だけど、例えば頭が良くて機転が利いて鋭い人は、なかなか大成できないんだよ。
一つの事を愚直なまでに一生懸命やり続ける人が最後には大成しているんだよ。それともう一つ意味があるんだよ、それは人からの悪口とか非難、中傷を気にしない鈍さも必要だね。
根とは根性の事だけど、仕事に対する熱意とか情熱とか、継続力とかも根性といえると思うよ。そして、根を下ろすという考え方で信用される人間になるという事かな。
以上が聞いた内容でしたが、27歳の私はその時あまり意味がわからなかったのですが、52歳になった今では、本当にその通りだなと思います。
私は、今まで人を信用していろいろな人に騙されて失敗してきましたが、人を信用する事によって大きな運を掴む事ができました。
どう考えても、人を信用した方が得だと思います。
出来れば、相手をよおく見て信用出来る人を見分ける必要はあると思いますが、最初から相手を疑ってかかるような人間では運を掴む事は出来ないでしょう。
私は、もともと大雑把で小さなことを気にしない性格ですが、自分が正しいと思ってやっている事を人から非難、中傷されてもあまり気にしません、いや気にしないように心掛けています。
そして、人の欠点を見て見ぬふりができるように自分を鍛える事を心掛けています。
人間にはそれぞれ長所、短所があり、当然自分にも大きな欠点があるんですけど、他人の欠点は良くわかり、自分の欠点はわかりにくいものです。
なるべく長所を見るようにして、短所は見ないようにすれば人間関係は良好になると思います。
根性という言葉は、今や死語になっていますが人生は苦難の連続ですから、諦めない気持ちを持つ為には、根性が必要ではないでしょうか。
そして仕事上でも、私生活でも「信用」というものが一番大切だと思います。自分の人生に根を張るという事は、周りの人に信用されるという事ではないでしょうか。
皆さんも「運、鈍、根」の意味を考えてみてください、なかなか味のある言葉ですよ。
株式会社 家具のアウトレット ビッグウッド 杉浦眞悟
今日は、ペルシャ絨毯との出会いについて話したいと思います。
今から18年前、あるイラン人と出会いました。
彼の名前はカヴェ、ザンデ、バシリといいます。
東京からペルシャ絨毯を車に積んで、愛媛の松山市まで15時間かけて来たのですが、私はその当時まったくペルシャ絨毯のことを知りませんでした。
魔法の絨毯としてアラビアンナイトの物語に出てくる、空飛ぶ絨毯というくらいの知識しかありませんでしたので、カヴェさんに「あなたのお店でペルシャ絨毯を売ってみませんか?」と言われても、「はぁ~」というしかなかった。
その当時、私はアウトレットの家具店を4店舗経営していましたが、安い家具を専門に売っていましたので高額なペルシャ絨毯など、分不相応であり売れるわけはないと思いました。
しかし、カヴェさんは熱心にペルシャ絨毯の事を話し始めました、しばらく聞いていたのですが、たどたどしい日本語で良く理解できなかった事を覚えています。
話の途中で、アンティークの絨毯を見せられました。その時、私はなんとも言われぬ感動を覚えたのです。
それから私は、ペルシャ絨毯に興味を持つようになり、いろいろな本を読んで勉強すればするほど、益々好きになっていき、奥の深さに感動し「人類の文化遺産」であるペルシャ絨毯の虜になってしまいました。
ちょうどその頃、イランとアメリカが国交断絶したとの事で、アメリカが輸入していた約10億ドル(1000億円)のペルシャ絨毯が在庫としてイランに残っていましたので、安く仕入れも出来る状況でした。
私は、ひょとしてペルシャ絨毯は、世界のアウトレット商品になるのではと感じました。
3400年~4000年前から存在するペルシャ絨毯ですが、18年前まで我々一般の日本人は見ることもなかったと思います。
芸能人や政治家だけが持つ事のできる「特別な絨毯」というイメージがありましたし、値段も相当高かった訳です。
私は、日本人がペルシャ絨毯を手に入れる1000年に一度のチャンスだと感じたのです。
アメリカ人はペルシャ絨毯が大好きな国民性で、イランの生産量の50%以上を輸入していたそうです。
それが、約20年前イラン国内のアメリカ大使館を、イランのテロ組織が占領したことがきっかけで、国交断絶することになり、アメリカはイランに対し経済制裁を開始しました、ペルシャ絨毯だけではなく石油、ピスタチオ、キャビアなどの商品を全面輸入禁止にしたのです。
現在も経済制裁は続いており、日本にとっては有難い事かもしれません。
とにかく18年前、私はペルシャ絨毯に夢中になり、欲しくなり自分で購入しました。そして、親、兄弟、親戚、友達、にペルシャ絨毯の素晴らしさを話しまくりました。
私が歩いていると、友達から「ペルシャ絨毯が歩いとる」といわれるほどでしたが、一生懸命説明するものですから、私の周りの人はほとんど全員ペルシャ絨毯を購入してくれました。
私はその時、売りたいと思って説明したのではないのです、ペルシャ絨毯の素晴らしさを理解してもらいたいと思って説明していました。
しかしその熱意はとてつもなく強大で、恐ろしいほどだったと言われました。
私は、日本人がペルシャ絨毯を持つ事は本当に幸せな事だと信じています、
なぜなら私がイランに行って「織り子」さんに「辛い仕事ですね」といった時、彼らは「私の作った絨毯で世界中の人を幸せに出来るのですから、私達は幸せです。」と云ったのです。
私はその時、胸が震えて涙があふれました。
そして、ペルシャ絨毯を日本に広める事が私の使命であると決意したのです。
皆さん、是非ペルシャ絨毯の事を勉強してみてください、必ず好きになると思います。
株式会社 家具のアウトレット ビッグウッド 杉浦眞悟
こんにちは、今日は「不況」についてお話したいと思います。
松下幸之助さんが「好況よし、不況さらによし」と言われていますが皆さんはどう思われますか?
また、松下幸之助さんは「不況の時こそ会社発展の千載一隅の好機である。商売の考え方一つ、やり方一つでどうにでもなるのだ」
また、「不況は物の価値を知る為の得がたい経験である」
また、「不況、難局こそ何が正しかを考える好機である。不況の時こそ事を起こすべし。」
また、「不況になると商品が吟味され、経営が吟味され、経営者が吟味され、そして事が決せられる。従って非常にいい経営者のもとに人が育っている会社は好況の時は勿論、不況の時には更に伸びる。」
また、「不景気になっても志さえしっかりと持っておれば、それは人を育てさらに経営の体質を強化する絶好のチャンスである。」
松下幸之助さんは、明治27年に生まれ、平成元年に亡くなられた方で、松下電器産業を一代で築き上げた日本の偉大な実業家でありますが、松下さんは「不況は決して悪い事ではない。」といわれているようです。
現在、会社経営者のほとんどの方が、困った事になったと思っているはずですが、松下さんの考えを理解するならば、この不況をチャンスと考えるべきかもしれません。
我が社も今こそ、志(経営理念)をしっかり持って、全社員が一丸となって理想の会社を目指す事が大切だと思います。
経営理念とは、会社の存在理由であり、社会にとって必要な公器として存続するべきかどうかを判断する基準であると思います。
我が社の「経営理念」は「お客様及び全従業員の喜びの創造」「企業の再生支援を通じて社会に貢献する」の二つでありますが、どちらも社会貢献という意味では意義のある志だと思います。
問題は現実に経営理念の通りに、会社経営が出来ているかという事です。
特に「お客様の喜びの創造」については全力で取り組まなければいけないと思っていますが、まだまだ出来る事がたくさんあると考えています。
今年6月から真剣に取り組もうと思っている「下取りサービス」もその一つです。
このサービスは以前にもお話ししたと思いますが、会社にとってかなり大変な苦労を伴うサービスです。
しかし、お客様に喜んでいただけるサービスであることは間違いないと思います。
不況の時こそ志(経営理念)に沿った経営をすべきであると考えるなら、この「下取りサービス」をなんとしてもやり遂げるべきだと考えております。
皆さんも、今こそ「志」に沿った経営をされて、この「不況」を千載一隅の好機とされることを祈願いたします。
株式会社 家具のアウトレット ビッグウッド 杉浦眞悟
今日は「熱意」という言葉の意味についてお話したいと思います。
『熱意』とは、熱い思い、燃えるようなやる気、使命感、情熱、いろいろな意味を持っていると思います。
以前に人生、仕事の成果は「能力×熱意×考え方」で決まると言う話をしたと思いますが、この方程式の中で一番大切なことは「考え方」であるといいました。
確かに「考え方」はマイナス100からプラス100まであるので、間違った考え方をしていると、能力が高いほど熱意が大きいほど結果が悪くなってしまいますので、非常に重要なものであります。
しかし世間一般の人は、だいたい「悪い考え方」をしていないと思いますから、成功する為の大切な要因はやはり「熱意」ではないかと考えます。
この「熱意」と言うのは日々数値が変化しており、体調や気分によって大きく変わってきます。
つかみどころがない物ですが、1から100まであるとすれば掛け算ですから結果がかなり違ってきます。
我々は限られた時間で一生を終えるわけですから、毎日の熱意の数値の合計が人生の結果として残るわけです。
では、どうすれば高い熱意を保ち続ける事ができるのでしょうか?
私の考えですが「どうしてもやり遂げたい!」という強烈な願望を持つ事が大切だと思います。そしてその願望が使命感に成長していくと、自分に「残された人生の大切な時間」を、熱意をもって過ごす事が出来るのではないでしょうか。
我々は良く「運命」という言葉を使いますが、人が使命感を感じて決意した時を「立命」といいます。
この「立命」の状態になった人は「燃えるような熱意」を保ち続ける事が出来るのだと思います。
しかし、「立命」の状態になったとしても我々は人間ですから、毎日頑張るというのは大変難しいでしょう。
楽をしたい、休みたいと思う時があっても仕様がないと思います、しかし熱意の数値が人生の結果であるならば、なんとか頑張る時間を増やさなければなりません。
実は、私も「立命」の状態にはなっているのですが、熱意を持続する事が非常に難しいと感じています。
少し疲れてくると「休みたい、さぼりたい」と考えてしまいます。
「自分の生涯の目標」と「残された時間」を考えて、まだ余裕があると思い込み、休もうとする傾向にあります。
しかし、たいていの人は時間を無駄に過ごして、生涯の目標を達成できずに死んでいくのですから、気をつけないと「光陰矢のごとし」だと自分に言い聞かせるようにしています。
本来の自分は非常に意思が弱く、優柔不断で、継続力がないと思っています。他の人と比べる事は出来ないですがおそらく、「能力」も「熱意」も低レベルだと感じています。
「考え方」だけは間違っていないと自信はありますが、情けない話です。
しかし、私には「もう一人の自分」が存在しており「もう一人の自分」は自分が理想としている人間です。
彼(もう一人の自分)は、非常に意志が強く、燃えるような熱意と行動力をもっています。
彼(もう一人の自分)は、私の事をよく叱ります、叱られた私は自己嫌悪に陥り彼(もう一人の自分)のように熱意を持った人間になりたいと願望し、努力します。
彼(もう一人の自分)に褒められた事がなく、いつも叱られて、呆れられて、情けないと言われています。
私の願望は、生涯の目標を果たして彼(もう一人の自分)に認めてもらい「よく頑張った」と褒めてもらう事です。
その為には「熱意」が大きな原動力になると思っていますから、少しでも多くの時間を「熱意」を持って生きていかないといけないと反省しております。
皆さんは、毎日どんな時間を過ごしておられますか?
「熱意」を持って生きて行く事は、結構楽しい事かもしれませんよ。
株式会社 家具のアウトレット ビッグウッド 杉浦眞悟
今日は「チラシ」についてお話したいと思います。
私と「チラシ」の出会いは23歳の時、閉店していた家具店の在庫を処分する為、自分で考えて手書きで作った紙ビラが最初の出会いです。
そして、27歳の時本格的な「共同チラシ」を撒きたいと思い独立した訳ですが、「チラシ」は私を独立させる原因でした。
そして33歳の時、「共同チラシ」に行き詰まり、アウトレット商品を売る為の「独自のチラシ」を考え出しました。
なぜ我が社が、「共同チラシ」に行きづまったのかと言うと、ある時期から大型店が「共同チラシ」を撒き始めたのです。
同じ様な商品を同じ位の価格で「チラシ」に掲載している訳ですから、お客様は同じ物を買うなら当然、たくさん商品のある大型店に行かれます。
すると我々、中小家具店には来店する必要がなくなり、売上げが激減した事が大きな理由ですが、もっと大きな理由は、「共同チラシ」には心がこもって無いと言う事です。
チラシとは、無差別のお客様に配布されます、普通は新聞に折り込まれている為、お客様は嫌でも見なければいけないわけです。
最近は「チラシ」を見ないで捨てているお客様もたくさんいますし、新聞自体をとらない若い方が増加していますから、数万枚配布しても実際に見ていただけるお客様は想像以上に少ないと思います。
おそらく「家具のチラシ」を見られる方は、年に数回で家具を必要としている時だけだと思います。
ですから毎週「チラシ」を撒いて、お客様が家具を必要としている「何年かに一回のチャンス」に見ていただけるようにしなければなりません。
私は「チラシ」とは、「お客様へのラブレター」だと思っています、お客様にお店に来ていただきたいと思う気持ちが「チラシ」に込められていないと意味がない訳です。
一生懸命集めた商品(お宝)をお客様にプレゼントしたいと思い、「来店していただけたら最高のおもてなしをしたい」という気持ちがなかったら、「チラシ」を撒いてもお客様を引き寄せる事は出来ないと思います。
私は「生きているチラシ」と「死んでいるチラシ」があると考えています。
「生きているチラシ」とは、まさしく心のこもったラブレターの事です、皆さんが昔ラブレターを書かれたときを思い出してください。
わくわく、どきどきしながら「好きな相手と会いたい」「仲良くなりたい」「話がしたい」「自分の事をわかって欲しい」などと思いながら、一字一字に気持ちを込めて書かれたと思います。
お客様が、楽しくなったり、喜んだり、感動したり、驚いたりしていただける「生きているチラシ」をラブレターとして作る事が一番大切なことだと思います。
1月31日(土)と2月7日(土)の2週のチラシですが、松山南店と松山北店が製作したものが大成功したみたいです。内容はシンプルですが、心のこもった手作りの「チラシ」でした。
この厳しい経済環境の時代に、お客様が大勢来店して店内はごった返していたそうです。
たかが「チラシ」されど『チラシ』ですね。
私は長年「チラシ」を作ってきましたが、やはり50歳を過ぎて若い人たちの感性に着いて行けなくなっていると感じます
若い感性で、お客様の心を掴む「チラシ」=「ラブレター」を作っていかないと、この厳しい経済環境の中、来客数を増やす事は出来ないと思います。
皆さんも、新聞に折り込んである「チラシ」を見ながら、私の話を参考にしていただけたら幸いです。
株式会社 家具のアウトレット ビッグウッド 杉浦眞悟
今日は「家具の流通」についてお話したいと思います。
家具という商品は、百貨店をはじめ、チェーンストアー、家具専門店、インテリアショップ、ホームセンター、カタログ通販、インターネット通販、テレビショッピング等いろいろな販売業者が販売しています。
2008年の百貨店における家具の売上げを調べてみると、前年比マイナス幅が大きくなっています。特に、6月からは前年比のマイナス幅が2桁台に突入。
米リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに、本格的な金融不安に突入した9月以降は特に売上げの落ち込みが激しく、11月は21%減、12月は20%減を記録しました。
一般消費者の消費マインドの冷え込みが一層加速し、百貨店の売場に並ぶ高級家具から遠ざかっている状況が垣間見えます。
2007年度、全国百貨店の家具の売上げは、1264億3千万でしたが、2008年度の売上げは1098億6千万で、165億7千万(約13.1%)減少しています。
次にチェーンストアー(イオン、イトーヨーカ堂、イズミ、ニトリ等)の家具の売上げを調べてみると、前年の売上げを下回ったのは5ヶ月、あとの7ヶ月は前年比プラスを記録しています。
2007年度、全チェーンストアーの家具の売上げは3780億9千万で、2008年度は4108億1千万ですから、327億2千万(約8.6%)増加しています。
理由としては、一年間でチェーンストアーが、174店舗増加した事が大きな要因だと思います。
家具、インテリアだけの売上げを比較すると、チェーンストアーは百貨店の2~4倍あり、2008年度も売上げを伸ばしており、その差は年々開いていくと思われます。
高額な高級家具が売れない傾向があり、低額な家具インテリアが売れているという状況ではないでしょうか。
それでは我々、家具専門店はどうかというと、全体的には年々販売額が減少している現状であり、2009年は更に厳しい年になると思われます。
インターネット通販やカタログ通販の売上げは、把握できておりませんが、カタログ通販の売上げはかなり減少しているそうです。
我々家具専門店が、「勝ち組」になるためには、家具の専門知識を習得して、お客様と良い人間関係を作る為、丁寧な接客を心掛ける事が大切だと思います。
そして、他社では出来ない人的サービスを考え出し、他社との差別化をするべきです。
最後に、集客力をアップさせる為に他社にはない商品(アウトレット家具)の仕入をしなければいけないと思います。
また、激安のアウトレット商品をチラシに掲載して集客を増やす事も必要ですね。
株式会社 家具のアウトレット ビッグウッド 杉浦眞悟
こんにちは、今日は「考える社員をつくる」と言う事をお話したいと思います。
私が社長になったのは、27歳の時ですから、今から25年前のことですが、家業で始めた会社を、企業に転換出来る様になったのは、まだほんの1,2年前の事です。
家業として会社を経営していた時は、社長である自分がほとんどの仕事に口を出し、判断や決済を全部自分でやっていたように思います。
しかし会社の規模が大きくなってくると、組織が必要になってきます。
また、組織図に沿った役職が必要になってきて、管理職の方たちが自分の部署に関しては、自分で考え判断や決済する役割を担うようになります。
そうすると「自分で考える社員」が必要になってきます、会社が大きく成長する為にはどうしても自分で考える事の出来る「人財」を確保しなければうまくいきません。
幸い我が社には、優秀な管理職の方が数人おり、また若い管理職の方たちが「自分たちで考える」という事を真剣に思い始めています。
本当にありがたい事ですが、社長である自分が優秀な社員達を「考える社員」に成長させる事が出来るかどうかが問題です。
例えば、今までどうり社長が全てに口を出し、傲慢な判断を下していたら、おそらく「考える社員」はいなくなってしまうでしょう、そして以前の家業に逆戻りしてしまうと思います。
今、自分がするべきことはそれぞれの役割を、それぞれの役職者に任せるという事でしょう。
社員が考えた意見を聞き逃さない、そして何より社員が意見を言えるような「社風」を作る事だと思います。
経営理念である「お客様及び全従業員の喜びの創造」に沿ったサービスや、商品、接客方法などに関するアイデアを自由に発言できる状態を社内に作る事も大切だと思います。
我々小売業は、時代の変化に取り残されないように「新しいサービス、商品、接客」を考え出していかなければなりません、新しい発想はやはり高年齢の人より若い人達の方がたくさん考え出せると思います。
今までの常識で考えると、「そんな事は無理ですよ!」と思われる意見が、将来は成功の鍵になるかもしれません。
どんな会社も同じやり方(経営方法)では「30年は持たない!」と言われていますが、我が社もすでに創業25年経ちました。
今迄のままでは将来、必ず行き詰まることになるでしょう。 ですから、今こそ「考える社員」が必要なのです。
全社員が、仕事に対して意見を持ち、職場に問題点を見つけ出し、そして解決策を考える事が出来るような「社風」を作りたいと熱望しながら、今日はペンを置きます。
株式会社 家具のアウトレット ビッグウッド 杉浦眞悟
今日は、「商業界」の創設者の一人でもあり、戦後の商業近代化運動の精神的な牽引車となった新保民八先生のお話をしたいと思います。
新保先生は、「正しきによりて滅びる店あれば滅びてよし、断じて滅びず」と言われ、今も多くの商業者に愛され、尊敬されています。
昭和33年に、新保民八先生が「第3回優良店員ゼミナール」において「青年店員よ大望を抱け」と題した講演で福沢諭吉の「福沢心訓七則」を引用して、商人の使命と素晴らしさを力強くうたい上げていますので、それをご紹介いたします。
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福沢諭吉の「福沢心訓七則」の第5条に「世の中で一番貴い事は、人のために奉仕して決して恩に着せない事です」と謳ってある。
これは商人の生活そのままだ、お客の寂しさを満たす愛の仕事、そんないい仕事をしながら、諸君は、「毎度ありがとうございます」と恩に着せないじゃないか。
商人の仕事こそ、売る事は道徳なり、諸君が売って売って売りまくる事によって、大衆はいいものを安く買える。
しかるに、諸君は品物を丁寧にお届けして、お客を満足させながら、「毎度ありがとうございます」と言う、心をこめて言うその言葉が、世の中で一番貴いことなんだ。
お客に奉仕して、決して恩に着せない。恩に着せないどころか、諸君は「毎度ありがとうございます」と頭を下げる。
その商人の謙遜な姿こそ、私は愛の仕事だと思う。 立派な美しい事だ。
また、第6条で、福沢さんは、「世の中で一番美しい事は、すべてのものに愛情を持つ事だ」と言っている。
全てのお客に愛情を持つが故に、たとえ十円のお客であっても、親切にしてあげる。
言い方はおかしいけれども、一万円のお客は値段に逆行した満足料を払う。
あなた方は、一万円のお客は儲けが一割でも千円入ると思うから、大切にする。
十円のお客は丸々儲かっても十円だと思うから、サービスが悪くなる。けれども十円のお客は恥ずかしそうに「黒砂糖でよろしゅうございます」と言う。そういうお客の方が寂しさは大きいんだ。
一万円のお客はどこでもちやほやされるから、寂しさはそんなに大きくない。
乏しい中から十円の金を二十円にも使いたいという、そういうお客ほど寂しさは大きい。額は小さいが、それを求める瞬間の寂しさは大きいんだ。
だから、寂しさを満足させてやったときの満足料は大きいんだ。満足料が大きく入って来るんだ。そういう事に気が付かんといかん。
十円のお客を一万円のお客より優遇せよという意味ではないが、そういう人こそ、心のこもった、愛情のこもった商売をしなければならんのだ。
世の中で一番美しい事は、全ての人に愛情を持つことだ。だから現金と正札が大事なんだ。
月末にごっそり払ってくれるからと言って、掛売りのお客にはごそっと一割値引きして、そして店先で十円、二十円と買うお客にはつっけんどんな商売をしている。
だから今までの商人はうだつが上がらなかったんだ。 この標準に照らしてみるならば、繁盛する店と衰退していく店とがはっきり分かるじゃないか。
宇品の高植くんという人の店は、全て現金正札だ。毎日現金が入ってくるから、仕入れ先にも現金でちゃんと払っている。
お客を愛するが故に、そのお客に商品を持ってくる問屋さんもかわいい。
開店記念日に酒を一升持って回ったそうだ。「問屋さん、ありがとうございました。あなたのおかげで商売ができるんです。あなたのおかげでお客さんたちを喜ばす事ができました。」
こう言ってお礼に回ったんです。
そうしたら問屋さんの中には涙を流して喜ぶ人がいる。「私は長い間、商売をしておりますけれど、小売店からお酒をもらって感謝されたのは、今日が初めてですよ」と言って涙を流していたそうだ。
彼はまた、お客も大事にしている。酒、味噌、醤油を扱っているから、結婚式だとか、葬式だとか、人間の喜びと悲しみにつけ、余計に売れる。
気をつけていればそれが分かるから、記録しておいて、一年経ったら、お葬式のあった家に出掛けていくんだ。
そして「今日はお母様のご命日でございますね。お線香を上げさせていただきます」と言って、ちゃんとお参りして来るんだ。
君らはそんな事をしてないだろう、売ったら回収の事ばかり考えているだろう。愛情のある商売をしていないんだ。
現金をもらって一年経ったその日、お線香を上げさせてもらいに来ました、と丁寧に挨拶すると、皆、泣くそうだ。
他人様がよく覚えていてくれた、なんと心の優しい立派なご主人だ、と感激するんだ。
そこに満足料が、大きな連鎖反応を起こして来るんだよ。
ね、世の中で一番美しいことは、全ての人に愛情を持つことだ。
いいですか、われわれの幸福は、我々の足元にあるんだ。我々の商人としての生活はそのまま、立派な青年諸君が情熱を傾けるに足る、一生を掛けて悔いの無い、大事な仕事なんです。
若き商人よ、諸君は、一生を貫いて悔いのない、世の中ためになる、世の中に愛情のバラをまくところの立派な仕事をしているのだ。
日本の商業の戦士であるということを自覚して、毎日にもっと情熱と愛情を注ぎ、大きな希望を抱いて、幸福を実現していっていただきたいと思うのです。
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新保先生の情熱と愛情が伝わってくる素晴らしい文章でしょう。
我々商売に携わる人間にとって、「仕事に対する自信と勇気を与えてくださるお話」だったと思います。
株式会社 家具のアウトレット ビッグウッド 杉浦眞悟
今日は、商業界出版の「店長の仕事術」から(店長に求められる役割)とは、と言う文章を抜粋させてもらいました。
「店長の悩み」の(トップ3)は、1.売上げが上がらない 2.チームワークが悪い 3.人が育たない、だそうですが、これらの悩みを抱えながら、日々現場で頑張っている店長に、元気になってもらいたい。
「人が育てば、お店が育ち、顧客が育って、売上げが育つ」店長の役割とはこの事が全てだと書かれてあります。
つまり売上げ(利益)を上げたいのであれば、まず最初に自らが育ち、そしてスタッフを育てる。
そして店として最高のチームを作る事から始めるのです。
スタッフ一人一人が育って、良いチームが出来てくると、自然とお客様が増え、売上げが伸びるのです。
多くの店長は、この順番を無視して、売上げアップや客数アップのためにテクニカル的な事ばかりに終始している。
小手先の手を使って、売上げをいかにして上げるか、どうやってお客様を増やすかを考えるのではなく、その前に、自らが育ち、部下を育てて、最高のチームを作る努力を惜しまない事が最も大切な事だ。
この順番を間違えないようにする事が、店長の重要な役割です。
それを実現する為に大切な事は以下の3つです。
1.自分のビジョンをスタッフと共有する。
2.実行項目を決め行動目標を設定する
3.「仕込み」と「仕掛け」に時間を掛ける。
「店長のビジョン」
お客様に喜んでいただくお店をつくろう
「実行項目」
1.スタッフ同士がまず笑顔で挨拶しよう
2.お客様の目を見て明るい笑顔で挨拶しよう
3.お客様に喜んでいただけるような接客をしよう
「行動目標」
1.毎日朝礼で笑顔訓練する
2.お客様に喜んでいただけるような商品知識を習得する
3.お客様に「ありがとう」と言われる回数を増やす
4.お客様に喜んでもらえるサービスを考える
5.お手本とする店を決め、体験する
まずお店のビジョンが決まったら、それを実行する為の具体的な実行項目を決めます。
次に行動目標を設定します。
店長は、自分のビジョンを実現させる為に、一人一人に課せられた行動目標が実践できているかどうかのプロセスを、毎日、毎週、毎月確認していく事が大切です。
継続して実践していくと、スタッフが見違えるように育っていきます。
なぜならば、行動目標を決めて実践する事を通じて、店長とスタッフが課題を共有でき、スタッフ一人一人が課題を克服するには何をすれば良いかが明確に分かるからです。
(スタッフは、皆店長に見ていて欲しい、どう思われているか知りたいと思っているのです)
そして店長は、お互いに共有している行動目標が達成されたら、スタッフを大いに褒める事が大切です。
今月は入ったばかりのスタッフが不安に思っている時に、店長から褒められる事は、ものすごくモチベーションアップになって、次の行動目標に対しても前向きになるはずです。
店のビジョンを共有し、それを実現させる為の実行項目と行動目標を決めたら、次に大切な事は「仕込み」と「仕掛け」、つまり計画作りと準備や段取りです。
どんなに素晴らしいビジョンでも、どんなにスタッフが育っていても、計画がしっかりしていなければ、その日暮らしになってしまい、チームとしてのまとまりもなくなってしまいます。
店長は自分の店の売上げや、品揃え、売場作り、イベント、顧客作りなどについての計画(ストーリー)を作り、その為の準備や段取りはどうするのか、一人一人がいつまでに何をすればいいのかをスタッフ全員が理解して実行できるようにするという役割があります。
1.計画化するテーマや目標を明確に示した上で、「何を」だけではなく、「なぜ」「何の為に」やるのかを理解させることが大切です。
2.次に役割分担を決め、チーム全員で推進する態勢を作る事です。店長が一人で動くのではなく、店長がチームのキャプテンとして、全員に協力させるようにする事が大切です。
3.スケジュールを決めて定期的に進行状態を確認する事です。一つ一つの計画について何度もミーティングを重ねて、日を追うごとに内容を充実させるようにしてください。
売上げ予算を達成したか否かで一喜一憂することなく、お客様に対する思いが実現できているか、一人一人のスタッフが育っているか、そして何と言ってもリーダーである店長を中心に店のメンバー全員が一丸となり、やりがいを持って仕事を行っているか、という事が実現できれば、自然と売上げはついてくるはずです。
本当に素晴らしい内容で感心しました。書かれた方は鈴木さだよしさんで、ワンスアラウンド社の社長さんですが、「幸せな売場つくり」の作者である、兼重日奈子さんの上司だった方らしいです。
店長さん、エリア長さんをされている方は是非、参考にしてください。
株式会社 家具のアウトレット ビッグウッド 杉浦眞悟
こんにちは、今日は「倒産」についておはなしをいたいと思います。
倒産といっても「民事再生法」によるものや「会社更生法」によるものや「破産」によるもの等、色々な形がありますが、どちらにしても、周りの人に大変な迷惑を掛けてしまいます。
2008年の企業倒産件数は15、646件で大変な数になっていますが、2009年はもっと増加するであろうと言われています。
我々企業経営者は、『倒産』という言葉を聴くだけで恐ろしく身震いしますが、何十年も会社を経営していますと、何度かは『倒産』寸前まで追い込まれる事があるはずです。
私も一度だけ「倒産寸前」を経験しましたが、30代の時でしたのでストレスに耐えることが出来ましたが、
50代になった今、あの時の苦しみをもう一度耐えろと言われたら、自信が有りません。
経営者であれば、誰しも『倒産』は経験したくないものですが、いつ何時、直面するかもしないと言う覚悟は必要だと思います。
しかし「倒産」するまでの過程で、軌道修正が出来るチャンスが何度かあるはずですが、気が付かないで落ち込んでしまう経営者が多いのも事実です。
私は「倒産」しない方法として、「動機善なりや、私心なかりしか」という言葉をいつも心の中でつぶやくようにしています。
この言葉の意味は、物事を始めようとする時の動機は「エゴ」でなく「利他の心」であるか、お客様の為、社員の為、地域の為に行うという「思いやりのあるやさしい心」が無ければ、成功しないということです。
「自然の法則」に乗っ取って、エゴを捨て素直な気持になれば、たいていの事はうまくいくと思っています。
そして、一人で問題を抱え込まないという事も大切だと思います、なぜなら一人で考えていると「思い込み」と言う病気になってしまうからです。
すぐ人に相談する、色々な意見を聞いて問題を解決する方法を沢山考え出すという事が一番大切だと思います。
その時「考え方の間違った人」や「卑怯な方法を教える人」や「自分だけが得する方法を教える人」の意見は絶対聞いてはいけないと思っています。
そして、今、まさに「倒産」してしまいそうな状態でも諦めてはいけません、明るく振舞って「希望」を捨てない事が大切だと思います。 奇跡は、意外と誰にも起こるものなのです。
でも出来れば、「土俵の真ん中で相撲を取る」という姿勢で普段から危機感を持って経営をしたいものですね。
株式会社 家具のアウトレット ビッグウッド 杉浦眞吾